競輪データ解析

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ラインで決まる割合は?

  • 最終更新日 : 2021年1月15日

目次

はじめに

「競輪はライン」という言葉がある。競輪を理解しようとするならば避けては通れないものである。C言語で言えばポインタ、Javaで言えばクラスのようなもので、入門者に立ちはだかる大きなハードルだ。
さて、競輪のラインに関する説明はWebで検索すれば大量に出てくるのでそちらに任せるとして、今回はラインで決まる割合について調べてみたのでその結果をまとめてみようと思う。

なお、今回の解析にあたって集計したレースの対象期間・サンプル数は次のとおり。

  • 集計対象期間 … 2012年1月1日 ~ 最終更新日まで
  • 集計レース数 … 231072

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ラインで決まる割合

ラインで決まったと判定するのは、ラインで前後に順番に並んだ2人が1着・2着(もしくは1着同着)となった場合とした。例えば 12 345 6789 という並びの場合、2車複で 1=2, 3=4, 4=5, 6=7, 7=8, 8=9 で決まった場合が該当する。3=5, 6=8, 6=9, 7=9 は同じラインだが順番には並んでいないのでNGである。

また、前述した内容はいわゆるラインワンツーであるが、同じ様にラインで前後に順番に並んだ2人が3着以内となった割合(ラインでのワイド車券が的中した割合)も算出した。3連単・3連複の予想の定石である「ラインの2人+誰かあと1人」という買い目の妥当性を探るためのバックデータとして知っておくのも悪くないからだ。

ちなみにこのような「ラインで決まる確率」を予測する機械学習モデルもあり、ブログで公開している本命ライン(もしくは本命選手のライン)の2車複的中率・ワイド的中率の予測はその1つだ。

級班による違い

S級、A級1・2班、チャレンジで比較。S級はラインで決まりにくく荒れるイメージを持っていたが、結果としては級班による大きな差は見られない。

単位:%
ライン2名でワンツー
*()内は、的中レース数 / 総レース数
ライン2名が3着以内
*()内は、的中レース数 / 総レース数
S級A級1・2班チャレンジ S級A級1・2班チャレンジ
42.1
(26199 / 62184)
40.8
(45606 / 111754)
40.3
(23037 / 57134)
67.3
(41820 / 62184)
65.5
(73152 / 111754)
66.5
(37972 / 57134)

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バンク周長による違い

333バンク、400バンク、500バンクで比較(ここからの比較データは全て級班別で分けて比較)。500バンクは他と比較してラインで決まりにくい模様。500バンクは荒れやすいという傾向の一端を担っていると思われる。

単位:%
バンク周長 ライン2名でワンツー
*()内は、的中レース数 / 総レース数
ライン2名が3着以内
*()内は、的中レース数 / 総レース数
S級A級1・2班チャレンジ S級A級1・2班チャレンジ
333バンク 43.0
(4530 / 10532)
42.2
(7787 / 18459)
40.7
(3712 / 9128)
66.1
(6961 / 10532)
64.7
(11941 / 18459)
65.0
(5934 / 9128)
400バンク 42.2
(19337 / 45796)
41.1
(33709 / 82069)
40.7
(17065 / 41915)
67.8
(31063 / 45796)
66.2
(54318 / 82069)
67.2
(28184 / 41915)
500バンク 39.8
(2332 / 5856)
36.6
(4110 / 11226)
37.1
(2260 / 6091)
64.8
(3796 / 5856)
61.4
(6893 / 11226)
63.3
(3854 / 6091)

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競走種別による違い

予選、準決勝、決勝、敗者戦(一般・選抜・特選)で比較。予選はラインで決まりやすく、決勝はラインで決まりにくいという傾向が明確にあらわれている。

単位:%
競走種別 ライン2名でワンツー
*()内は、的中レース数 / 総レース数
ライン2名が3着以内
*()内は、的中レース数 / 総レース数
S級A級1・2班チャレンジ S級A級1・2班チャレンジ
予選・2次予選 45.6
(8372 / 18351)
45.0
(14000 / 31122)
43.7
(8395 / 19228)
70.6
(12955 / 18351)
68.9
(21449 / 31122)
70.1
(13476 / 19228)
準決勝 41.6
(3841 / 9239)
39.9
(7756 / 19439)
36.5
(4089 / 11200)
67.2
(6213 / 9239)
66.8
(12979 / 19439)
64.6
(7231 / 11200)
決勝 36.6
(1111 / 3035)
35.3
(2299 / 6515)
30.1
(1135 / 3769)
61.5
(1867 / 3035)
60.0
(3912 / 6515)
54.8
(2067 / 3769)
敗者戦(一般・選抜・特選) 40.8
(10801 / 26471)
39.6
(19049 / 48128)
41.1
(9418 / 22937)
65.9
(17454 / 26471)
63.7
(30668 / 48128)
66.3
(15198 / 22937)

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グレードによる違い

S級競走のみとなるが、特別競輪(G1・G2)、G3、F1で比較。主に競輪場の周年記念開催であるG3が最もラインで決まる割合が高い。

単位:%
グレード ライン2名でワンツー
*()内は、的中レース数 / 総レース数
ライン2名が3着以内
*()内は、的中レース数 / 総レース数
G1・G2 41.9
(1687 / 4030)
67.9
(2737 / 4030)
G3 45.2
(7596 / 16794)
71.0
(11921 / 16794)
F1 40.8
(16652 / 40776)
65.6
(26753 / 40776)

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まとめ

ラインで決まる割合について、今回の結果を簡単にまとめると、

  • 全体的に見て、40%以上の割合でラインワンツーが決まっている
  • 全体的に見て、65%以上(3回に2回)の割合でラインで前後に順番に並んだ2人が3着以内となっている
  • 333バンク・400バンクと比較して500バンクはラインで決まりにくい
  • 予選はラインで決まりやすく、決勝はラインで決まりにくい
  • G3はラインで決まりやすく、特別競輪(G1・G2)やF1開催はラインで決まりにくい
と、いったところ。それと、ラインの2名が3着以内に入る割合は如何なる条件でも50%を超えており、3連単・3連複の予想の定石である「ラインの2人+誰かあと1人」という買い目は妥当なところと言える(それで収支が+になるかどうかは別だが)。3連単で大穴・高配当ばかりを狙って回収率が上がらない人は、このようなデータを把握したうえで一度自分の予想のプロセスを考え直すのも良いかもしれない。

また趣旨は変わってくるが、競輪初心者にラインを理解することを一つの目的としてお勧めするならS級の記念開催(G3)の予選が最もバランスが良さそうだ。S級競走なのでそれなりに激しくそれなりにトップクラスの選手もいてラインで決まりやすいからだ。

今回は集計対象とするレースに制限は設けなかったが、並びのパターンの条件を決めるなどして集計すればより詳細なデータが得られる。また、ライン2名の前後どちらの選手が先着しやすいのか、3分戦と4分戦でどのような差があるのか、など更に突っ込んだ解析結果もあるが、記事のボリュームやまとめる手間を考えて今回は掲載するのをやめた。

おわり

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